検証10:崩壊の相転移のトイモデル ―― 図

register①②(協働モデルA/B、構造的・工学的)。本ページの図は手描きではなく、検証スクリプト collapse_prototype_A.mjs と同一の方程式をページ内で再計算して描画している(=図は検証の再実行)。
乖離 D≥0 の力学:dD/dt = s − r·D + g·D^power。s=0.2(基底ドライブ), r=1.0(復元力=検証7の飽和を生む力), g=フィードバック利得, power=フィードバックの次数(1=線形、2=超線形=β>1相当)。
この検証が示すのは機構の可能性であって、現実の系が β>1 を持つ、あるいは閾値を超える証明ではない。

図10-1:崩壊は条件つき ―― β≤1(線形)では有限時間崩壊が起きない

乖離 D(t) の軌道(縦軸は対数)。三つのヌルと一つの効果: (緑) g=0(フィードバックなし)→ s/r=0.2 に飽和(=検証7の領域)。 (橙) 線形 power=1, g=1.5 → 指数増大(十倍〔decade〕ごとの到達の間隔が一定 ≈4.6 =有限時間の特異点ではない)。 (青) 超線形 power=2, 閾値 D_high=1.775 の下から → 0.225 に飽和。 (赤) 超線形 power=2, 閾値の上から → 有限時間崩壊(T*≈2.94 で発散、decade 間隔が0へ縮む=特異点)。 線形(power=1)は、フィードバック利得 g をどれだけ上げても指数増大に留まり、有限時間崩壊には至らない。有限時間崩壊を分けるのは次数 power>1 であって、g の大きさではない(ここで線形を g=1.5、超線形を g=0.5 と描くのは教育上の対比。差を生むのは g でなく power)。 温度:有限時間崩壊(相転移)は超線形(β>1)かつ閾値超えの両方を要する。崩壊は、注入した超線形性とちょうど同じだけ強い=焼き込み依存。そして β>1 は未検証の経験的条件(→本体 §4-3d、附録I)。核(超線形 ODE は有限時間で爆発する)は教科書的 ODE。

図10-2:閾値の構造 ―― サドルノード分岐

超線形(power=2)の定常状態 D を、フィードバック利得 g の関数として(分岐図)。 g < g*=1.25 では二つの固定点:D_low(安定・実線)とD_high(不安定=閾値・破線)。閾値の下なら有界(飽和)、上なら有限時間崩壊。二枝はサドルノード g*=r²/(4s)=1.25 で衝突して消失し、g>g*(網掛け)では固定点が無く無条件崩壊。 温度:分岐はパラメータの滑らかな関数(ハード打ち切りの人工物ではない)。この図はトイモデルが示す「閾値構造の可能性」であって、現実の系が β>1 を持つことや閾値を超えることの証拠ではない。

独立並行設計+相互監査。一次資料:collapse/(設計書・スクリプト・全数値)。サドルノード固定点 g·D²−r·D+s=0 → D=[r±√(r²−4gs)]/(2g)。

訂正(2026年9月29日):図10-1 の説明の(橙)で、旧版は「decade 到達の間隔が一定 ≈13.8」と書いていた。13.8 は千倍(三桁)ごとの間隔であり、十倍(decade)ごとの間隔は ln10 ÷ 0.5 ≈ 4.6 である。検証スクリプト collapse_prototype_A.mjs は 103・106・109・1012 の到達時刻を記録し、それを「decade 到達時刻」と呼んでいる(設計書 toymodel_collapse_design_A.md の P2 の Δ≈13.8 も同じ)。スクリプトと設計書は検証の記録として変えていない。結論——線形では間隔が一定(指数増大)で、有限時間の特異点ではない——は変わらない。この誤記は、本検証を素材にした解説動画の系統外検分(Gemini 3.8 Flash)で指摘された。